モダンピアノ ベヒシュタインコンソール スタンウェイB系  古典ピアノ研究家 うえだあや

モダンピアノについて Modern Piano 1800年頃までにピアノフォルテは、作曲家や一般の人たちに愛される楽器となりましたが、産業革命により、楽器の素材として金属が使われるようになって、弦の張力により強く耐えれるようにピアノは変化します。音量の幅にも広がりを持たせられるようになり、気候条件の影響を受けにくくなりました。

資本主義の力は他の産業と同様、ここでも限りない利益の追求と技術の開発に拍車をかけました。西洋音楽は植民地帝国の建設に野心を燃やす人々の後を追って世界に広がって行き、ピアノメーカーもすぐに世界規模の市場を持つようになります。

家庭内の楽しみであった音楽は、コンサートステージに移動し、大音量のピアノが登場します。 そして次には世界中のコンサートホールに広がって行きます。 また家庭の居間にもピアノは腰を下ろします。贅沢な家具としての役割もはたすのです。

社会の変化、中産階級の増加に伴ってピアノメーカーの数も爆発的に増えて、ビックビジネスの時代の到来です。

ベヒシュタイン コンソール C.BECHSTEIN
『私は20年以上もの長い間貴殿のピアノを使い続けているが、いずれの楽器も全くその優秀さを失っていない』ピアノの魔人と呼ばれたリストからの賞賛です。 ベヒシュタインほど数多くの音楽家から讃辞を送られたピアノも、珍しいと思います。 1853年、ベルリンで創業してから、ハンスフォンピューロの演奏会で使用され、一躍格好を浴びて、 1862年のロンドン工業博覧会でグランプリを獲得、幾多の賞を得て、ピアノ工業が世界的に最も繁栄した時代にその名を轟かせたベヒシュタインは、近代音響学が発達する以前のマエストロの聴感覚から生み出された名品です。

ただ一つの欠点は、値段が高いこと 1902年 創業者カールベヒシュタインが82才でこの世を去ってから、一族に引き継がれた仕事は更なる時代の変化の中で新しいピアノを作りだして行きます。

1976年のコンソールM型、
セリアル番号170552 1960年の設計モデルです。
この小さなアップライトがいかに豊かな倍音を生み出すか、家庭用のアップライトであるけれど、グランドピアノをしのぐ音色であります。日本ではなにかとグランドピアノの姿が優先し、名品のアップライトがいかにすばらしいものであるか、音楽家の中でも知られていません。 時代の変化の中で、ベヒの名前もご存じない方が多いのが残念です。 もちろんベヒのすべてがいいものとはかぎりませんが、これは今現在私の一番のお気に入りのピアノであることには、間違いありません。

 

公式ホームページ:Bechstein: Startseite

ベヒシュタイン コンソール モダンピアノ・スタンウェイB型 Strinway & Sons TypeB
1867年、パリ万国博覧会において、創立まもないアメリカのスタインウエィ&サンズが一位となります。 それまでの楽器とは全く違う華やかな音色は、弦を交差させて張った一体成型鉄骨フレームが、組み込まれた結果のものでした。 それから後はこのスタインウエィ&サンズをまねて、ピアノは作られていきます。


ベヒが多くの音楽家から祝福されたように、このスタインウェイは多くの国家の御用達になりました。 B型はスタインウェイの代表的なモデルです。 ここで多くを語る必要はないかと思います。 なぜなら、今の時でも最高峰に立つメーカーであり、調べることは容易い楽器です。

 

公式ホームページ:Steinway & Sons - Japan

Steinway

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